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午後四時までの性隷
第32章 最悪のタイミング
そんな娘を目で追っていた夫が私の方を振り返りました。

「ママ。玄関にあった花、綺麗だね」

「そ…そう?」

夫になにか気づかれるのではないか、と思わず身構えてしまいました。

「機嫌がいいとばかり思ってたけど。皐月にあんなに怒ることないだろ」

「ダメよ。試験期間中くらいちゃんと勉強してもらわないと」

「そうか…。じゃあもう皐月は降りてこないってことか」

「はぁ?」

「なぁ、たまにはどうだ?」

「たまには、って?」

「もう何ヶ月もごぶさただろ」

「な…なによ急に…」

「花なんて買ってきて、本当は機嫌がいいんだろ?早く皐月を部屋へ行かせて、楽しもうと思ってたんじゃないのか?」

「バ…バカなこと言わないでよ」

完全に夫は勘違いしていました。

こんな人なら私の浮気もバレない、と確信しました。

見ているようでなにも見ていないし、気づいていないのです。

「ママ、いいじゃないか」

夫が私に抱きついてきました。

いつもならベッドの上で私から抱きついても、なんだかんだ理由をつけて拒むくせに、こういう日に限ってそんなことをしてくるなんて、イラッとしました。

普段から私を抱いていれば拒否されることもないのに…と口から出そうになりましたが、堪えました。
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