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午後四時までの性隷
第32章 最悪のタイミング
「ダメよ。皐月はまだ上へ上がったばっかりじゃない」

「だからいいんだよ。降りてこないだろ」

「冗談はよして。もし見られでもしたらどうするの?」

「じゃあ早く寝ようよ、ママ」

やっぱり私のことを藍と呼んでくれません。

なので私も夫のことを名前で呼びません。

娘のいないところでもパパと呼びます。

「パパ。そろそろあの日になりそうなの。だからむしゃくしゃして皐月に当たったりしたのよ。気分を変えようと思ってデパートに行ったりお花を買ってみたりしたの。もし今にでも来ちゃったら困るでしょ」

「うーん…そうか…」

たったひとことで諦める夫でした。

私の生理の周期など、覚えているはずがありません。

そんな嘘さえ見抜けない、いいえ、それでもいいじゃないか、と言わない夫にがっかりしました。

しかも、今日は榎木さんと初めてあんなことをした日です。

夫からの普通のセックスでもの足りるはずがありません。

言い寄られたことは素直に嬉しかったのですが、タイミングが最悪です。

もっと早くからそういう欲をぶつけてきてくれていたら、私は目覚めることさえなく、普通の妻、普通の母のままだったのに、女としてほとんど見てくれなくなったから、あやめさんのグラビアに目が行ってしまい、榎木さんと出会うことになってしまったんです。
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