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幸せのカタチ
第1章 プロローグ

当時、私はちょっと気晴らしにと思い、友人から紹介された小さなスナックでバイトをしていた。
水商売の経験がない私としては夜の世界はどの様な所なのか想像もできなかった。

ただ、店のママにこう言われたのだ。

「未来ちゃん、まだこの世界は分からないでしょう?今はただお客さんのボトルのお酒を一緒に飲んでくれたらそれでお給料を払うわ。分かったかしら?」

何と、簡単な事だろう。
私はスナックの仕事を知らなかったのでそう思ってしまった。

そんな感じでスナックのバイトをしている時に、お客として来たのが倫也だったのだ。
倫也は同級生二人を連れてスナックにやって来た。

その姿を見ると店のママはとても嬉しそうにこう言うのだ。

「あら、神田さんじゃない?お久しぶりね?ずっと来るのを待っていたのよ…」

ママはとても上機嫌になって倫也たちを迎え入れた。
そして、店に来るとカウンターへと腰かけて座った。

ママがこう言ってくる。

「未来ちゃん、お通しのフルーツお願いね…」

ここのお店のお通しはフルーツの盛り合わせだった。
私は言われるがまま小さなキッチンに行きフルーツをカットして器に盛りつけた。

それを持ちカウンターへと行ったのだ。
ママが焼酎のボトルとミネラルウォーターとアイスを用意していた。

三人分の焼酎の水割りを作ると倫也たちに渡してゆく。
それと同時に私はお通しも渡していった。

ママは倫也たちに私の事を紹介してくれる。

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