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幸せのカタチ
第7章 プレゼント

そう言うと雅紀は電話の向こうで穏やかに笑っていた。
私はその事を聞いてとても嬉しくなったのは言うまでもなかった。
でも、何となく悪い気がしてしまいこう聞いたのだ。
「マサさん、本当にいいの?」
「いいよ、買ってあげるからね…ほら、見つけたよ…」
「見つかった?」
「うん、コードレスは9,900円のだよね?…」
「そうよ、9,900円もするのよ…そんな高い物買って貰っていいのかな?」
「高くはないよ…未来さん、必要でしょう?」
「うん、確かに必要だけど…」
「お誕生日のプレゼントにするからね…」
私はちょっと迷ったがここは雅紀に甘えて良いのだろう。
そう感じたのでこう言ったのだ。
「ありがとう…大切に使うわ…」
「未来さんが喜んでくれると俺も嬉しいよ…」
こんな会話があり、今週末に雅紀が無印良品に行って買ってきてくれることになった。
本当は雅紀自身が掃除機を必要としていたのだ。
雅紀の自宅には“餅子”と“団子”と言う名前の女の子の2匹の猫がいる。
猫は今の季節の変わり目にはかなり毛が抜けるのだ。
それに、雅紀の家は5LDKもある大きな家だった。
リビングダイニングだけでも相当な広さがあるのだ。
雅紀の還暦祝いに子供達から“ルンバ”をプレゼントされていたが、リビングだけしかそれは使えないと言っていた。

