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幸せのカタチ
第8章 倫也のこと

そのひとつを倫也の写真の前に緑茶と共にお供えして両手を合わせてこう話しかけた。
「倫也さん、お待たせしちゃってごめんね、おにぎりよ、食べてね…」
おにぎりは3個作っていたので、残りの2個は亡き両親に緑茶と共にお供えをした。
その後、お昼に私はそのおにぎりを食べる為にまた倫也の写真の前でこう言ったのだ。
「倫也さん、一緒に食べようね…」
何故だか分からないが、自分でも言うのもおかしいのだが、倫也と食べるそのおにぎりが非常に美味しかったのだ。
倫也が喜んでくれているとその時感じた。
その出来事を雅紀に話すとこう言ってくれる。
「それは良かったね…きっと彼も喜んでるよ…」
「そうかな?」
「そうだよ、そのおにぎり俺も食べたいよ…」
それを聞くとちょっと私は笑ってしまった。
倫也におにぎりを作ってあげてから私の中でまた何かが吹っ切れた様に感じた。
自分はまた恋をして幸せになっても良いのだと思ったのだ。
雅紀に対して、それまでは好きではあったけれど幸せになって良いかどうかは分からなかった。
そんな事を考えていた時にまた電話で雅紀がこう言ってくる。
「今度、未来さんの作ったおにぎりを持って動物園に行きたいよね?」
何故、雅紀がこんなことを言って来たかというと、先日とてもお天気が良かった。
そこで、私は雅紀にこうLINEで言ったのだ。
「こんな良いお天気の日には動物園に行きたいね…」

