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幸せのカタチ
第10章 子供たち

私はそれを聞くとちょっと暗い気持ちになった。
それは、私には心の病があり、自宅から遠くに離れることが出来なかったからだ。
自宅を離れると異常な程の不安感に襲われるのだ。
なので、私はこう返した。
「私、精神的に自宅を離れると物凄い不安感に襲われるの…だから新潟には行けないわ…」
それを聞くと雅紀はちょっと落ち込んでいる様にも思えた。
でも、こう言ってくる。
「そうなんだね、未来さんの気持ちは分かったよ…シゲもケンも東京に住んでるからそこから未来さんの自宅に二人を連れて行けばそれでいいんだよね…」
「え?二人に我が家に来てもらうのは悪いわ…」
「多分、大丈夫だと思うよ…」
私はそれを聞いて非常に恐縮してしまった。
雅紀は穏やかに笑いながらこう言う。
「未来さん、俺に任せてね…」
「うん、でも、トモちゃんはどうするの?」
「朋美も未来さんの自宅に連れて行くよ…横浜に行けるって喜ぶんじゃないかな?」
「そ、そう?」
「未来さんは心配しないで俺に任せて…」
確かに、私は雅紀の家に行って見たかった。
5LDKもある広い家を見て見たかった。
それに、猫の団子ちゃんや餅子ちゃんとも会ってみたかった。
気持ちは新潟に行きたいのに精神がそれについてこられなかったのだ。
本当に雅紀の子供たちは皆、いい子だった。

