この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
幸せのカタチ
第1章 プロローグ

「俺、今鉄筋工の仕事してるんだ…」
「鉄筋工?」
「そうだよ、鉄筋コンクリートの建物の骨組みとなる鉄筋を設計図に従って加工して組み立てる仕事だよ…」
「そうなんだ…」
「未来ちゃんは何の仕事してるの?」
「え?私今は仕事をしてないの…」
「じゃ、スナックはただのバイト?」
「そうよ…」
「スナック何て辞めちゃえばいいのに…」
倫也はちょっとムッとした様にそう言った。
もう、この話しの時点でお互いの気持ちは理解できたのだった。
本当にお互い一目惚れだったのは言うまでもなかった。
スナックのバイトを辞めても生活はしていけるだろう。
そう、私は思っていた。
なので、倫也にこう言ったのだ。
「暫くしたらスナックのバイトは辞めるわ、近いうちにママにそう話す事にする…」
それを聞くと倫也は安心した様だった。
この話しの後、私はスナックのバイトを辞める事にしたのだ。
これを境に私と倫也は付き合う様になった。
当時、倫也は37歳だった。
付き合い始めの頃、倫也から私は自分の年齢を聞かれた。
私は素直に自分の年齢を言ったのだ。

