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幸せのカタチ
第1章 プロローグ

すると、倫也は非常に驚きこう言った。
「えー?俺よりも年下だと思ってたのに、年上かよー!!また姉貴に何か言われるぅー!!」
倫也は何故かちょっと絶望した感じで叫んでいたのだ。
今現在でもそうだが、私は実年齢に見られることはなかった。
その当時も、かなり若く周りから見られていたのだ。
倫也と身体の関係になるのにはそんなに時間は掛からなかった。
お互い一夜を共にしてから17年間の月日が流れた。
良く17年間も付き合ってきたと思ってしまう。
今でも忘れられないのは倫也が亡くなった日だ。
倫也が亡くなる半年前に私たちは些細な事で喧嘩をしてしまった。
本当に些細な事だった。
それから半年、私は倫也に何の連絡もすることはなかった。
淋しくなかったと言えば嘘になる。
毎晩の様に倫也とは電話をして長話をしていたのだから。
私は連休明けの5月7日の日に倫也のアパートを訪ねた。
だが、インターホンを鳴らしても倫也が出て来ることはなかった。
私は前日の夜からちょっと胸騒ぎがしていたのだ。
もしかしたら、倫也はもう死んでいるかもしれない。
そう思っていたのだ。
その予感は当たっていた。
私は自宅に戻ると倫也の姉に電話をすることにした。
「もしもし…竹内と言いますが…」
「はい、どの様なご用件でしょうか?」

