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かんじる、とろける、いまここで ~遠い記憶の長距離航路~
第1章 -完結- 20年ぶりの横浜で

軽い食事をさっさと終えて、コンビニで買った小さなワインとスナックを手に真新しい部屋に入った麻美は窓際のベッドに腰を下ろして大きな窓から見える港の景色を眺めながら、かつてそこにあったホテルでは、ふたりでソファーに身を沈めながら港の夜景に浸っていたことを思い出していた。
(とりあえずシャワーを浴びよう…)
明るく輝くユニットバスは、バスタブもシャワーヘッドも全て違う空間で何も重なる思いはなかった。
部屋で待つ人もいないし、と思いながらゆっくり時間をかけて髪を乾かし、ショーツだけ身に着けてふわふわのバスローブを羽織ると冷蔵庫に入れておいたワインを取り出してライティングデスクに置く。
(やっぱりソファーとティーテーブルがほしいな)と思いながら…
外から見えないように部屋の灯りを消してカーテンを開ける。
あの頃の風景とあまり大きく変わっていないような外を眺めていると、いちどに当時のことが甦ってきた。
(そう…、ここから船で神戸まで行ったのだったわ…)と。
ずいぶん昔、出張を利用して久我原と夜の船旅をした長距離航路はもうなくなっていたが、麻美の脳裏にはついこの間のことのように鮮やかに思い出されていた。
(とりあえずシャワーを浴びよう…)
明るく輝くユニットバスは、バスタブもシャワーヘッドも全て違う空間で何も重なる思いはなかった。
部屋で待つ人もいないし、と思いながらゆっくり時間をかけて髪を乾かし、ショーツだけ身に着けてふわふわのバスローブを羽織ると冷蔵庫に入れておいたワインを取り出してライティングデスクに置く。
(やっぱりソファーとティーテーブルがほしいな)と思いながら…
外から見えないように部屋の灯りを消してカーテンを開ける。
あの頃の風景とあまり大きく変わっていないような外を眺めていると、いちどに当時のことが甦ってきた。
(そう…、ここから船で神戸まで行ったのだったわ…)と。
ずいぶん昔、出張を利用して久我原と夜の船旅をした長距離航路はもうなくなっていたが、麻美の脳裏にはついこの間のことのように鮮やかに思い出されていた。

