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かんじる、とろける、いまここで ~遠い記憶の長距離航路~
第1章 -完結- 20年ぶりの横浜で
***
 20年前、麻美は久我原とふたりで、大桟橋から神戸へ向けて出港する大型客船のツインルームにいた。
 新幹線なら3時間もかからずに移動できる距離を、わざわざ一晩かけて移動する人が意外にも多いことをそのとき麻美は初めて知ったが、空きがあるからと、乗船時にアップグレードされた部屋へ案内されたことがうれしかった。
 手荷物を部屋に置いてデッキに出るとほどなくして、まだ明るい夕暮れのカモメが飛ぶ横浜港を真っ白な船はゆっくりと静かに岸を離れた。
 下から見上げたベイブリッジは思ったよりも大きく思わず声が出たことを麻美は今でもはっきりと覚えている。

 たっぷりと時間をかけて夕食を摂り、部屋でシャワーを浴びてから久我原は麻美を夜のデッキに誘ってくれた。
 右舷には陸地の灯りが見え、意外に陸地に近いところを走っているのだとその時麻美は思ったのだった。
「ほら、あれが金星」
 普段は見えない星がばらまかれるように瞬いている夜空を見上げながら、低い位置でひときわ明るく輝く星を指して教えてくれた久我原の左手が同じ方角を見せるように麻美の顔を抱き寄せると、そのまま唇が重ねられた。
 秋も終わりに近かったので夜風の冷たさがシャワーのあとの体を少し刺すような気がした。
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