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かんじる、とろける、いまここで ~遠い記憶の長距離航路~
第1章 -完結- 20年ぶりの横浜で

部屋に戻って扉の前で抱きすくめられた麻美は、唇が離れると両手で久我原の胸を叩いた。
「いじわる…」
デッキで達したあと片手で叩き、狭い階段を降りながら後ろから背中を叩き、これで3度目である。
胸を叩かれながら黙って微笑む久我原にもう一度抱きしめられた麻美の細い体は、そのままお姫様抱っこされてベッドへ運ばれ、彼の大きな体がその上に覆いかぶさった。
ゆっくりと波に揺れるベッドの上で重ね合わされた唇を分けて舌が絡み合い、静かな部屋に聞こえるのは低いエンジン音だけのはずだった。
が…
「声が聞こえる…」
部屋を隔てる壁の向こうから聞こえる声に、先に気づいたのは麻美だった。
閉じられていた眼が開いて、その視線が顔の脇の壁を示すと久我原も気づいてうなずいた。
それははっきり聞きとれる男女の営みの声で、すでに女の絶頂が近いことがわかった。
その瞬間がすぐに訪れたとき、麻美は自分もあんなふうに声を上げているのかと思わず赤面し、恥ずかしそうに「いや…」と言って久我原の胸に顔をうずめた。
「いじわる…」
デッキで達したあと片手で叩き、狭い階段を降りながら後ろから背中を叩き、これで3度目である。
胸を叩かれながら黙って微笑む久我原にもう一度抱きしめられた麻美の細い体は、そのままお姫様抱っこされてベッドへ運ばれ、彼の大きな体がその上に覆いかぶさった。
ゆっくりと波に揺れるベッドの上で重ね合わされた唇を分けて舌が絡み合い、静かな部屋に聞こえるのは低いエンジン音だけのはずだった。
が…
「声が聞こえる…」
部屋を隔てる壁の向こうから聞こえる声に、先に気づいたのは麻美だった。
閉じられていた眼が開いて、その視線が顔の脇の壁を示すと久我原も気づいてうなずいた。
それははっきり聞きとれる男女の営みの声で、すでに女の絶頂が近いことがわかった。
その瞬間がすぐに訪れたとき、麻美は自分もあんなふうに声を上げているのかと思わず赤面し、恥ずかしそうに「いや…」と言って久我原の胸に顔をうずめた。

