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真昼の幽霊
第3章 消えたパンツ

隣で胡坐をかいているタローの背中に手を置いて、そっとローテーブルに置かれているテレビのリモコンを触って持ち上げてみる。すり抜けることはなかった。
「つ、掴める!!やっぱり実体化してる……」
――ぴっ
『午前7時のニュースを』
――ぴっ
『今日の天気は曇りのち晴れに』
――ぴっ
『サタデータイム!本日は新しくできた遊園地の特集です』
「あはは!!リモコン使ってチャンネル変える幽霊って面白すぎない?」
「いいの!……これ、完成したんだ」
大笑いしているタローの太ももをリモコンで軽く叩きながらも、テレビに視線が釘付けになる。ぼんやりとだが見覚えのある建物が次々と映しだされていた。
「あぁ、あそこか。行く?デートしちゃう?」
「タローのあほ!こんな格好で行けるわけないっ。わっ」
背中に置いてあった手を掴まれ、ハグされる。
「てっきり人魂化してでも行くのかと思った。俺とちゃんとデートしてくれるつもりだった?」
耳元で囁かれる声はとびっきり甘く、寝起きとは違った掠れ具合だった。届く声に背筋がぞわぞわと震える。髪の毛をすくように頭を、背をつたいお尻の割れ目より少し上まで優しく撫でていく。その後、まるで飼い猫をあやすように仙骨あたりをトントンと人差し指で叩かれる。

