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真昼の幽霊
第3章 消えたパンツ

 お腹の奥がジクジク疼き始めて、思わず恥丘をきゅっと太ももを閉じて挟んだ。

 ――むっ♡、にゅり♡

「っぁ、だめ」

 男は太ももからはみ出た恥丘にゆっくりと指先を沈みこませていた。

「やらし~パンツはいてたら、きっと染みになっちゃうね」
「……んっ♡」

 肉をつついていた人差し指が太ももに差し込まれ、恥丘の割れ目の真ん中を擦るように抜き差しされていく。

「あの水色のシンプルなやつ。色薄くて濡れるとスケるのエロかったな」
「ぁっぁっ、も、やめ」

 彼と映像を共有しているようで聞きたくなくてタローの顎を手で押す。その瞬間、ピタッと彼の指が動くのをやめた。
 何だか肌に当たっていた指の感覚が鈍く感じる。タローが押していた手をそっと握り込んで退け、首をかしげて下を見るので、つられて視線をそちらに向ける。

「……あれ?」
「あぁ!パンツ!!」

 不思議なことにパンツをはいているのだ。ふたりして目が点になる。

「……たろー、私の服について話してくれない?」
「え?そう言われると急にハズいな。えーと、ベルトのバックルを外して手を差し込むと……」
「ばかばか!普通に形を言うだけでいい」
「はいはい。んーと、ショートパンツは薄色のジーンズ生地で~」

 タローは目を閉じて服装について事細かに呟く。彼の言葉で形が頭の中で鮮明になっていくたびに、みるみる服が着せられていく。
 魔法呪文のようだった。

「凄い……戻った」
「もしかして自分の着てた服、忘れてた?」
「確かに……そうかも。これで外に出られるよ!!」
「ちぇ~。嬉しそうだから、まぁいっか」

 タローがうらめしそうにスマホを弄っている。淫猥な空気はすっかり飛んでいた。握られたままの手をゆらゆらと動かしてみても、特に何かを喋ることもない。急に手持ち無沙汰になって、しかれているラグに指でらくがきをする。

「……遊園地いこっか」
「!!……うん」

 嬉しくなってぎにぎとタローの手を揉むと彼も同じように返してきた。
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