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真昼の幽霊
第4章 デート

 遊園地に行く人たちで電車の中は混みあっている。つり革にはテーマパークへ出資しているであろう企業の広告が並んで揺れていた。

 いよいよ座っていても電車の車窓から観覧車が見えてくる距離になって心も弾むが。

「さすがにこの体勢はおかしくない!?」
『ゆーちゃん、電車の中は静かにしないと』
「どうせ聞こえてないよ!!」

 腰を下ろしている場所は、電車の座席ではなくタローの膝の上。彼は飄々と私の膝の上でスマホをいじって会話している。向かいの子供と同じ体勢でいたたまれない。かといって、騒ぐのも人間だった名残かできなかった。
 フリックしている彼の手元をじっと見つめる。

『遊園地、初めて来た』
「えぇ!そうなの!?」

 電車の揺れではない微かな振動がお尻に伝わる。なんだか子供と同じくらい膝がそわそわしているタローに気づいてそれ以上、何も言えなくなってしまった。
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