この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
雨夜の灯(あまよのあかり)ー再会から始まる恋
第7章 「ほんとうの声」
「澪のこと、見てたよ。でも、怖かったんだ。自分が何をしてるか、わかってたのに、止まれなかった」

 環の声が揺れた。
 澪は目を上げ、初めて、環の濡れた瞳を見つめ返した。

「澪に触れる資格なんて、ほんとはないんだと思ってる。
 でも、それでも、澪のことが……」

 言葉が途切れた。

 代わりに立ち上がった澪が、ゆっくりと環の前に歩み寄る。
 そして、ほんのわずかに触れるように、環の頬に手を伸ばした。

「……わたし、まだ全部は許せない。たぶん、ずっと許せないかもしれない。
 でもね……あなたに触れられたとき、こわくなかった。
 心臓の奥が、あったかくなったの」

 言葉を選ぶように、ゆっくりと告げる。
 その声は震えていたけれど、確かに“澪の声”だった。

 環がその手に自分の手を添えた。
 肌と肌が、震えながらも確かに重なる。

 外の空が、夕暮れから夜の青へと溶けていく。

 ひとつの罪と、ひとつの赦しが、まだ不完全なまま、そっと隣に座った。
/16ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ