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第30章 母親との再会

　確かに私から見て、真人お兄ちゃんはお母さんから愛されていた。まるで自分の子供は真人お兄ちゃんしかいないかのように……。


　そしてお父さんは当時仕事が忙しくてあまり家にいなかった。それなら尚更、家庭のことは見えないよね……。


「お父さん、お兄ちゃん、謝らないで……。私、今は幸せだよ？　確かにあの時は辛かったけど、でもそのおかげで今はお父さんもお兄ちゃんも私を愛してくれるし、そばにいてくれる……守ってくれる……。だから、自分を責めないで……」

「陽菜……」


　お父さんと真人お兄ちゃんは切ない表情を浮かべた。


「陽菜は優しいね……。だけど、ずっと苦しませてきたのはやっぱり私なんだよ。どんな理由があろうと、娘に手を出してはいけなかった」

「お父さん……」

「家族を壊したのは私なんだ、陽菜じゃない」

「お父さん！」


　私はお父さんに抱きついた。


「やだ……やだっ！　そんなこと言わないでっ！」


　そんなこと言われたら、今の関係が壊れてしまう……。