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12歳年下の旦那さんと新婚旅行と妊活する話
第22章 新婚旅行7日目 7月13日 ~AM~

その後、しばらく私は
そのグラスを自分だけ使ってたんだけど。
雄介さんがあんまりいい顔を
しなくなって来た感じだったから。
私もグラスを使うのはやめて
割れちゃったりしても嫌だし、
折角の旅行の思い出の品だったから。
テレビの横に飾っていた物だった。
今は…あのアパートに雄介さんが
今も住んでるのかさえも知らないし。
あの人と結婚する時に引っ越していたなら
きっと…ゴミとして処分されてるだろう。
でも……こうして私の…
頭の中には、記憶の中には
その…ちょっと歪に…
なってしまった…あのグラスの
色も形も…手に持った時の
ズシッと手首に来る重さも…
全部…ちゃんと…憶えていて…。
『でも…正直…悩んだんです…
でも…作れるなら…タイミング的に…
今日が…タイムリミットかなって…』
私は前に体験してるから、
体験する事自体には15分とか
20分もあれば出来る感じの工程で。
今までの旅行中も…体験を
出来る工房がある場所は
恩名村にも名護市にもあるから…
出来る機会は…幾らでもあったのに…。
でも旦那さんがそれをしようって
したいって思っていても
他のアクティビティみたいに
事前に旅行前に予約出来なかったのは。
私への…気遣い…と言うか
優しさ…みたいな物でしか無くて。
「ねぇ、…旦那さん…あのね…
1つ…聞きたいって言うか…
もう一度、確認しておきたいんだけど…」
『確認しておきたい事…ですか?』
「グラス…結構重たいし…
使いにくい…かも…知れないけど…」
『食洗器使えないとかですか?
いいじゃないですか、別に
どうせ余洗いするんですし
その時にこれだけ手洗いすれば…』
「ちょっと、一緒に来て」
旦那さんの手をぎゅっと握って
体験の受付をしている
カウンタ―の所に移動する。
「すっ、すいません…。
オリジナルグラスを…作りたいんですが…
体験の申し込みをお願いします」
勿論…私と旦那さんの会話なんて
ずっと…受け付けのカウンターの
中に居た…スタッフの
お姉さんにはつつ抜けてたわけで。
お姉さんの…目がちょっと
赤くなって居るのは
気のせいじゃないはず…。

