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凌辱の日
第2章 料亭にて
事件が起きた。

「先方が随分と怒っていてね、申し訳ないがあやまりに行ってくれないか。」
最初から私が上手くやれば何のトラブルもなかったはずだ。しかし後輩にも任せないと経験と責任を覚えてもらわないと伸びてくれない。そのつもりが失敗だった。
「判りました。2人で行って来ます。」
失敗した後輩の富田佳菜子と一緒に先方へ出向く。

会議室に通され、待つこと10分。先方の課長が入って来た。
「この度はそちら様に大変なご迷惑をお掛けして申し訳ございませんでした。」

2人で席を立ち深々と礼をする。
課長の黒沢は小太りな良く言えばエネルギッシュ、悪く言えば脂ぎった50代な感じ。目が2人の頭からつま先まで舐め回すようないやらしい視線が鼻につく感じだ。
「今回の件、我が社としてはそんなに響く損害では無かった。お宅の方でかなり手早く対処してくれたからね。特に発注ミスに関しては最小の損害で済んだのは助かったよ。」
「ありがとうございます。」
「しかし、信用の部分だよな。これはどうにもならない。」
「はい、良く判っております。」
「我が社とJVを組んでいた会社との信頼をね・・・まぁ、回復するにも・・・君たちに協力して貰えんだろうかな?」
「・・・何をすれば良いのでしょうか?」
「・・今晩お詫びをする形で宴をを設ける事にしたんだ。まぁ、その席に一緒に来て貰えないだろうかな?」
「判りました。ご一緒させて頂きます。」
「まぁ、お酌とかもお願いするかもしれないからね、そのつもりでいてくださいよ。」

(酒宴のコンパニオン兼ねて付き合えという事か。私は大丈夫だけど、この娘はどうかな?)
「佳菜子さん、大丈夫?」
「はい、大丈夫だと思います。」
「それでは2人、ご一緒させて頂きます。」

「それじゃあ、これから車で向かうか。おい!車を正面に」
「えっ?近くではないのですか?」
「何を言っているのかね?千葉の木更津だよ。あちらはゴルフをしているところだ。近くの料亭を用意したんた。」
ここから木更津まで2時間くらい。退社時間は過ぎる。しょうがないか。
2人は半ば強引な形で車に乗せられ、木更津へ向かった。
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