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ラスト・セックス
第3章 3日目
朝起きてからジャックはずーっと考えていた。むしろ昨夜からあまり眠れず一晩中SHINOさんのことを想っていたと言ったほうが正しい。とにかく今日こそはという強い意志であの店に行こうとした。アパートの玄関を開ける。視界にすぐ入ったのは天井を舞っているハチだった。スズメバチではないが、かなり大きい。アシナガバチのようだ。5匹はいる。何で?と辺りを見ると野球のボールぐらいのハチの巣発見。天井にぶら下がっている。ジャックの部屋は2階でその巣の下を通らずに外出はできない。ジャックはハチは嫌いだ。ダメだ。出れない。

すぐにドアを閉めて、落ち着いて深呼吸。大家の電話番号を探す。そして大家に電話して事情を話すと殺虫剤を持って伺いますが、用事があって夕方になると言うのだ。あの店で昼食をとってSHINOさんを落とす計画が遅れてしまう。でもハチには勝てない。結局は大家は16時過ぎにハチ退治に来てきてくれて、駆除も成功した。だがそのせいで店に行くのが17時近くになってしまった。

ジャックは急いで店に向かった。まだいるかな?もう帰ってしまったかな?

店までもう少しという所で一人の女性にすれ違った。SHINOさんらしかった。
「SHINOさん?」
その女性は振り返った。SHINOさんだった。深刻な表情をしていたので一瞬分からなかったが、紛れもなくSHINOさんだった。
「あら」
SHINOさんもジャックと分かったようだ。そして少しの間があった。
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