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ラスト・セックス
第3章 3日目
「今、お帰りですか?」
「ええ」

「あのもしお時間があれば、お茶する時間ありませんか?前からSHINOさんと1度おしゃべりしたかったんです。店内だとそんなお時間ないでしょ?」
SHINOさんは少し考え込んだ。今日は黒いポロシャツにジーパン姿だった。

「無理だったら、諦めますけど・・・」
「うん。いいわ。少しなら」
SHINOさんは頷くように答えた。

夕涼みの風が気持ちよかったのと適当な店もなかったので、駅近くのベンチに座った。ジャックは缶コーヒーを2缶買って1つをSHINOさんに渡した。
「元気ないですね?何かあったんですか?私でよければお話聞きますよ」
「お名前は?」
「あ、言ってなかってですね。ジャックです」
「ジャックさん。ハーフなの?」
「ええ。アメリカ人の父と日本人の母です」
「奥様は?」

ジャックは話すべきか迷ったが話すことにした。
「大昔なんですけど、30年前に死なれました。たった1年の結婚生活でした」
「あら、ごめんなさい」
「いいえ、もう昔のことです。SHINOさんは結婚されてます?」
こういうことを聞くときはドキドキする。独身であってくれと願ってしまう。

「私も3か月前に夫に死なれました。高校の時から10年交際してやっと結婚して、たった2年の結婚生活・・・」
「失礼なこと聞いてしまいました」
「お互い様ね」
二人とも笑ってしまった。

「でも3か月じゃ、まだ寂しいですね。それでさっき泣きそうな顔してたんだ」
「私、泣きそうでした?」
「ええ」
「やだ~。今夜何食べようか考えていただけです。いつも悩んじゃうんです。一人じゃ作るのも面倒でね」

「じゃ二人で外食しません?」
「そうしましょうか?」

そのまま二人は近くの居酒屋に入って酒と食事で2時間を過ごした。
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