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僕の愛する未亡人
第10章 はじめての二人の夜
唇を重ねるたびに、佳織の吐息が短くなっていく。最初はぎこちなかった理央の唇も、彼女が小さく応じるたびに、その動きを覚えていくようだった。
佳織が興奮していたにもかかわらず、なかなか進まない理央の愛撫に、佳織は少しもどかしそうに言う。

「……優しいね。AVみたいに、乱暴したいんじゃなかったの?」

「……できるわけ…ないじゃないですか」

理央は唇をきゅっと噛む。

「僕……前回泊まった時に、本当に無理やりしなくて良かったって…思って…嫌われたら嫌だ」

「でも、飯塚さんにはしてるんじゃないの?」

佳織は理央の額に唇を押し当てると、冗談めかして言う。

「……してるかも……それこそ、噛んだり、痕…つけたり…」

視線を泳がせて、だが理央は正直に答える。

「そう……」

佳織は勇気を出して、動きをやめた理央の手を取り、こつん、と額を押し当てる。

「あたしにも……同じこと、して」

自分で言って、胸の奥が熱くなるのを自分で感じる。佳織は泣いてしまいそうだった。

「お願い」

声が震える。これまで彼を拒んできたのに、自分で言って馬鹿げているとさえ思う。
理央はもう、その震える声に我慢ができなかった。
押し倒すようにベッドに体を重ね、唇を深く重ねた。佳織は最初は戸惑いながらも、すぐに自分から舌を絡めて応えた。
指先でホックを外すと、下着がほどけ、柔らかな胸が理央の視線にさらされる。

理央は舌を乱暴に絡める。そして、お願いされたように――画面の中の女がされていたように、胸を揉みしだき、乳頭に人差し指を当てて弾く。

「ん、……っく、ぅ」

佳織の体が仰け反る。切ない声を漏らしながら、彼の頭を抱え、もっと欲しいと伝えるように腰を震わせた。

「ん………ぅ」

今朝、冴子に導かれた感覚が、今度は理央の愛撫で呼び覚まされていく。

「……キス、されながら……弱……いみた……いで」

唇が離れた瞬間、途切れ途切れになりながら、佳織は理央に言う。冴子に導かれた感覚を理央に一番知って欲しかった。

「あの、女の人みたいに……して、いいから…」
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