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僕の愛する未亡人
第8章 はじめての夜
佳織は再び背中を撫で始めた。
ケインにぶたれた痕のせいでヒリヒリと痛むのに、柔らかな指先の動きのせいで、やはりそれが快感に変わっていくのを確信する。

「は……ぁっ」

冴子の目が潤んでいく。佳織に背中を撫でられ、首筋にキスを落とされながら、以前した理央とのやりとりが自然と思い返される。

――人肌って安心感あるんだなと思って。
――あたしたちみたいにエロだけしてると、それ忘れるんだよね。寂しくてしてるわけじゃないから。

寂しくて誰かと寝ているわけじゃないからこそ、忘れていた。自分で言った言葉が返ってくる。あの不当な人事にもかかわらず、佳織は何も聞かずに会社で支えてくれたうちの一人だった。だからこそ、この肌がとても心地いい。
そして佳織も、自分を後輩として信頼してくれているからこそ、夫を亡くした寂しさと欲とを自分で満たそうとしてくれている。
二人の関係がこの重なりの中、朧げに見えてくる。背中を這う指先と、首筋に落ちる熱い吐息が、よりその輪郭をはっきりさせようとする。

「んっ……だめ……っ」

弱々しい声で抗うたびに、佳織の唇がさらに深く首筋に触れた。それはまるで、冴子の理性を確かめるようだった。

「いつも、そんな声出してるの……? 男の人が…女性に乱暴したくなる気持ち、少しわかったかも」

くすっと佳織が笑う。

「子供っぽい佐藤くんにも……乱暴に抱かれてるの?」

「そ、そんなこと……言わないで」

か細い声で否定する。だが、それはむしろ肯定の言葉となって佳織に受け取られる。

「へぇ……彼、あたしには慎重なのに。あなたにはそんな風にするの」

「違います……優しい佐藤くんがそんなことするわけ」

「――やっぱり寝てるんじゃない」

ふふっと微笑むと、佳織は冴子のふわふわの胸に手を伸ばす。

「すごい……柔らかいね。佐藤くん…どうやって触るの」

「……だから、違っ……」

否定の言葉を口にした瞬間、佳織の指先が布越しに果実の頂きを擦る。
口を閉じても、冴子の喉の奥から甘い声が漏れてしまう。

「ん……っ」

「さっきね……飯塚さんに触られたとき、すごく気持ちよかったの。佐藤くんにキスされながら、飯塚さんに乳首いじられて……。きっとあたしより飯塚さんの方が感度…いいだろうから…」
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