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お屋敷メイドの凛
第1章 お屋敷入り
その日の夜は、深く眠った。
幼少期からの初めての、夢を見ない夜だった。

朝、ノックの音で目が覚めた。
ゆりがあの柔らかい笑顔でドア口に立っている。
「凛さん、朝ごはんですよ」
昨日のことなんて何も無かったような、清楚な姿だった。

「…ねぇ、ゆりさん、昨日のって…」
凛はおずおずと声を出す。昨日は、本当に夢だったんじゃないかな。

「あのお茶、効いたでしょう?変なものではないわ。ハーブ由来なの」
そういってゆりはキッチンからトレーを運んでくる。
夢じゃ、なかったんだ…今更だけど、恥ずかしい。凛はゆりから視線を逸らした。
焼き鮭に梅干しが乗った柔らかそうな白米、湯気の立つお味噌汁。
一階の和室には柔らかい光が差し込んで、穏やかな秋のはじまりを感じさせる。

「…わたしがあんな風になっちゃったのは…」
「元々、あなたの中にあった願望よ。あのハーブティーは、それを解き放つもの。心当たりがあるんじゃないかしら?」

実際のところ、図星だった。
ゆりとあの男には、凛の欲求が見抜かれていたということだ。

向かいに座ったゆりも手を合わせ、鮭をほぐしている。
「あれは、みんな最初ああなるのよ。我慢や抑圧から自分を自由にするため。実際に気持ちよかったでしょ?新しい自分になれた気がして。」
確かに、普段は自分に制している行動や発言を、人前で強制されたとはいえ、すっきりした。

「でも、あんな大胆にすぐ気をやったのはあなたが初めてかしら」
凛は自分の発言を思い出して恥ずかしくなってしまった。
ゆりはまたクスクスと笑った。

「…ゆりさんはいつからここに?」
「そうね、2年くらいかしら」
「他にも女性がいたんですか?」
「あなたの前に、何人か。でもすぐいなくなってしまったわ」
いなくなった、か…。なんだか引っかかる。
「…そうなんですか。ところでご主人様のお仕事は?」
「ご主人様は日中は外出されることが多くて、夜には帰ってきますわ。警備の会社を営んでいますの」
今日ももう外出されてしまいました、とトレーを持ち上げながら付け加えた。後ろ姿しか見えないが、ゆりの頬が少し強張ったように見えた。何かあったのだろうか。
「さ、今日のお仕事をはじめましょう」
そういってゆりは普段の柔らかい笑顔に戻った。
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