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はなびら
第1章 はなびら
矢崎が結婚休暇から戻ったころ、朱里が鬱を理由に出勤できなくなり、派遣の仕事を辞めたと言う噂が耳に届いた。矢崎と西野が朱里の病気に関わっているという確証はないものの、後味は良くなかった。けれども雪子との新婚生活にかまけているうちに、朱里のことは単なる過去の思い出となって行った。


久しぶりに朱里からの連絡を受け、矢崎は西野の忠告も聞かずに朱里と会う約束をしていた。正確には、西野から忠告を受けるよりも前に、会う約束を取り付けてしまっていたのだった。

水天宮前のロイヤルパークホテルのティーラウンジで、朱里と落ち合った。

朱里は以前にも増して綺麗になっていた。病気で仕事を休んでいたとは到底思えない。内側から発光するように艶めいている。今はもう彼女は自分のものではない、そう思うと一層輝いて見えるものなのかもしれない。

「仕事、辞めたんだって?」
矢崎はいたわるように尋ねた。

「うん。ちょっと病気しちゃって。噂になってたらしいけど、鬱じゃないわ」
朱里は言って、にっこりとほほ笑むと、紅茶に砂糖を入れた。

「最近どうしてるの」

「新しい職場でうまくやってる。彼氏もできたわ」

そう言って朱里はティーカップの中でスプーンを回しながら、反応をうかがうように上目づかいで矢崎を見た。

「彼氏がいるのにどうして俺と?」

「矢崎さんがそこを責めるとは思わなかったわ」

朱里はわざと不満そうな顔をしたあと微笑んだ。
こちらが既婚であることを朱里は知ったらしい。パートナーがいる同士であれば公平な遊びの関係が成立する。朱里はそうした関係を、あらためて求めてきているのだ。
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