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月光の宴 ミッドナイトプール・サスペンス
第1章 月光の宴 ミッドナイトプール・サスペンス
 全員がプールに入った。僕はプールの壁面に追い込まれ、その僕を取り囲むように彼らが集まっていた。

 水の中で寒さを感じて肩を抱いている僕を見て、彼らは嘲笑するように言った。

「何だ、抵抗しないんだな」
「……」
「お前も楽しみにしてたんじゃないのか?」

 違う。と言いたかったが、口を開こうとすると彼らの中のリーダー格の一人が僕に寄って来た。

「まあいい、始めようぜ」

 そのリーダーは僕の肩を掴むと、瞬時に僕の唇を奪った。

「んんっ……!!」

  キスは初めてではなかったけれど、「今」のままで男からキスされるのは屈辱に近いものがあった。

「あ……はあっ……」

 僕の身体から、ゆっくりと力が抜けていった。

「おい、始まるぞ」
「ああ、楽しみだな……」

 彼らの興奮した声が聞こえなくなる。気を失ったのか、そうでないのか分からない。


 これから始まる、肉欲の宴。

 食べられるのは、僕だ。
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