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あなたに抱かれたい
第3章 拓哉と久美子

出張二日目の成果はさんざんであった。
当然である。拓哉も久美子にしてもほとんど寝ていないのだから、営業をするにしても思考が定まらず、拓哉に関しては目を閉じれば、目蓋の裏に久美子の綺麗な裸体が浮かんでくるのだから、その度に股間のイチモツが反応しかけて抑えるのに必死だった。

久美子にしても足が浮腫んでハイヒールが辛いからと、途中でショッピングモールに飛び込みローヒールのパンプスを購入して履き替えるほどだった。

そんな具合だから、出張の成果も無惨なほどだった。
結果のでない営業ほど辛いものはない。
ろくな成果もなしに二人は東京に戻った。

本音を言えばこのまま直帰して今すぐベッドに飛び込みたいほどだったが、本社で営業部長が待っているからとメールをいただいたので、眠い目を擦りながら会社に到着した。

「どうだった?大口の注文の一つや二つは手土産にして帰ってきたんだろうな?」

部長室に呼び出された二人は背を丸めて肩を落とし「坊主でした」と素直に成果が上がらなかったことを報告した。

「えっ?そうなの?うちのエースともあろう君が出向いても結果が出なかったのかい?」

何をしてきたんだ!
そのように叱責したいところだが、目にクマを作り、目の回りが落ち窪むほど憔悴している二人を見ると叱りつけるわけにもいかなかった。

「まあ、いくらエースの君だって連戦連勝とは行かないだろう…まあ、とにかくご苦労だった。今日はこのまま家に戻ってゆっくりしなさい」

「申し訳ございませんでした」

素直に謝ると肩の荷が降りて幾分元気を取り戻した。
ちゃっかりしたもので叱責を免れると性欲が顔を覗かせる。

「どうだい?このあと、ホテルに時化(しけ)込んで反省会でもするかい?」

「ええ、係長が来いと言うのであれば、私、どこ迄もついていきます。ただ…」

「ただ…何だい?」

「ホテルはシティホテルではなくラブホテルだと嬉しいかな…」

なんの事はない、久美子にしてみても体が疲れているはずなのに、昨夜の続きをしたくてたまらなかったのだ。
それも、おもいっきりよがり声をあげれるラブホテルでだ。
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