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あなたに抱かれたい
第3章 拓哉と久美子

久美子の隣にゴロリと横になって天井を見上げると、ラブホテルらしく天井は鏡張りだった。
腕を伸ばして久美子を引き寄せると、彼女は嬉しそうに拓哉に腕枕をおねだりした。

40過ぎのくたびれたオヤジの裸体が、二十歳過ぎのピチピチの若い女の裸体と並んでベッドを共にしているのはお世辞にも絵にならない。

『こんなオヤジがよくもまあ若い彼女に求婚したものだ』と
我ながらかなり思いきった言動だったと恥ずかしくなる。

「なあ、さっきの返事…」

久美子にプロポーズしたものの、彼女からはイエスともノーとも返事をもらっていない。
拓哉からの求愛に彼女は涙まで流して喜んだのだから答えはイエスに決まってるだろうと拓哉には余裕があった。

「少し…考えさせて…」

思いもよらぬ久美子からの返答に「えっ?」と唖然とした声をあげてガバッと飛び起きた。

「な、何か問題でも?」

やはり歳の差がネックなのだろうか?
そりゃあ確かに久美子からしてみれば俺は父親みたいな年齢だし、二人で並んでデートしてみても援助交際かと周りから見られるに違いない。

「問題は…拓哉さん、まずはお子さんたちの気持ちを確かめないと…あなたは亡くなられた前妻のことを吹っ切って私を選んでくれたけれど、お子さんたちの心の中には亡くなられたお母さんの事がしっかりと息づいていて私を母だと認めてくれないかもしれない」

「う~ん…どうだろう…茉優にしても正弥にしても高二と中二だからね、物の分別は理解している年齢だし、僕が選んだ女性なら受け入れてくれるんじゃないかと思うんだが…」

「それと、私の両親が結婚を認めてくれるかどうか…
仮に私があなたの妻になったとして、両親からしてみればあなたは義理の息子になるわけだし…どちらかと言うと兄弟と言ってもいい年齢だし」

「いや、君のご両親と養子縁組するわけじゃなし、そこまでこだわるかなあ…」

そう言いながら、拓哉はわが娘の茉優が40近い男を彼氏だと紹介されたら、いい気分じゃないなと思った。

「その二つをクリア出来れば…私、あなたの奥さんになりたい…」

そう言って久美子は恥ずかしいのか、拓哉の胸に顔を埋めた。
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