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混浴露天風呂・痴漢ワニに囲まれて
第6章 夕食
「可哀想」

将星がポツリと言った。

「そうだな」

征人が言った。

「俺でも、一応、母親には嫌いでも『お母さん』って呼ぶのに」

壮介が言って、

「息子さんたちの代わりに、俺たちが、今日は、存分に『お母さん』って呼ぶよ。っていうか、呼びたいよな」

と、続けた。

「そうだな。俺、もう何年も『お母さん』って言っていないよ。怖いから顔を合わさないようにしているし」

将星が呟いた。

「自宅から通学ではないの?」

茉莉子が訊くと、

「そうだけど…。家では、呼ばれない限り自室にいるし、呼ばれても返事はしても、嵐が過ぎるまで聞いているフリをすれば、終わるよ。使う言葉は『わかった』だけいい感じ。変に何か言ったら長くなるだけだから」

と、将星が答えた。確かに理屈ではそうかもしれないけど…。茉莉子は何となく想像はできたけど、将星が可哀想だと思った。さきほど、将星が口にした言葉と同じ言葉だとふと思った。

「だとしたら、壮介なんか、デブってだけだから、マシだよな」

征人が言うと、

「デブなだけ?ま、そうだけどさ。将星も征人も母親が痩せているからわからないのかもしれないけど、デブって臭いんだぜ。冬でも汗かくし、香水と化粧品、そして汗のミックスブレンド。たまらんぜ」

と、思い出すだけでも臭うのか鼻を摘まむ壮介。

「それに、邪魔くさがりというか、ズボラというか、家事全般ができないし、ルンバが来るまで埃が舞う我が家だったし、今でも、冷凍食品を自分で電子レンジで温めて食べる日々だからな」

さらに続けた。

「それは、俺も一緒だぜ。化粧が落ちたら困るって言って、動くことを嫌がるし、そもそも、化粧に1時間以上かかるから、タイムロスも多いし、なによりキッチンに立たないというか、化粧が落ちたら困ると言ってキッチンに入ることを拒否しているくらいだから、同じさ。冷凍食品を電子レンジで温めて食べるのは」

征人が苦々しく吐き捨てるように話した。冷凍食品ね…。茉莉子は買い物に行くと、確かに、冷凍食品をカートに大量に積んでいる女性を見かけることを思い出した。

「大変なのね…」

茉莉子が言うと、

「うちも同じようなものだよ。瘦せギスだからか、俺の母親は腹が減らない。だから、飯を作らない。結果、自分でスーパーやコンビニで冷凍食品かコンビニ弁当を食べる感じ」

と、将星が言った。
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