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混浴露天風呂・痴漢ワニに囲まれて
第6章 夕食
「やっぱり、俺たちにとっての理想のお母さんだね」
壮介が茉莉子を見て笑った。
「そうだね。やっぱりお母さんには、微笑んでいて欲しいから。それに、温かい視線に、柔らかい雰囲気がないと、つらい」
「老けて欲しくないけど、無理やり厚化粧して若作りされてもって思うけど、普通していて若く見えたら一番だよね」
「それはそう。食べ過ぎ、太り過ぎ、自堕落生活は、傍で見ていてもつらいけど、その点、目に入れても痛くないくらい可愛いよね」
3人が口々に茉莉子が理想だと言った。
「可愛いは言い過ぎだと思うけど、息子たちに、その言葉を聞かせたいわ…。『目障り』『キモい』とも言われたことがあるし、『いつもニコニコしていて、何を考えているかわからない』とか、『嫌われていることに、いい加減、気づけよ』とも、言われたわ」
息子たちが自分に投げかけた言葉を思い出して、涙が頬を伝う茉莉子。
「そんな酷いことを…」
絶句する壮介。半分は演技だが、半分は本気だった。首を左右に振りながら、
「なんか、ムカついてきた。優しい母親に恵まれているのに、その母親にそんなこと言うなんて…。俺なんか、母親の笑顔なんて、記憶にないくらいなのに」
と、将星が嘆いた。これは演技はゼロかもしれないと、壮介は将星を見た。
「綺麗なお母さんが嫌いな息子がいるなんて」
征人も神妙な顔で話していた。なんとなく、4人とも箸が止まったままになっていた。話の重さと、ある程度、食べ進んでいることもあって、話だけになっていた。
そろそろと思ったのか、仲居が、話が途切れるのを待っていたのか、このタイミングで、
「次のお料理をお運びしてもよろしいでしょうか?」
と、声を掛けて来た。茉莉子が、代表して、
「よろしくお願いいたします」
と、答えた。食前酒のアルコールの影響か、鍋料理の熱を受けたのか、茉莉子の首筋、鎖骨の辺りまで桃色に染まっていて、艶やかな感じ。
「息子さんたち、『お母さん』って呼ばない感じですか?」
将星が意を決したように訊いた。
「『お母さん』という言葉は、久しぶりに聞いたわ。貴方たちから。息子たちは、言わないわ。四男が小学校の4年生の頃に言ったのを聞いたのが最後かも」
茉莉子が目を閉じて、思い出すように話した。
壮介が茉莉子を見て笑った。
「そうだね。やっぱりお母さんには、微笑んでいて欲しいから。それに、温かい視線に、柔らかい雰囲気がないと、つらい」
「老けて欲しくないけど、無理やり厚化粧して若作りされてもって思うけど、普通していて若く見えたら一番だよね」
「それはそう。食べ過ぎ、太り過ぎ、自堕落生活は、傍で見ていてもつらいけど、その点、目に入れても痛くないくらい可愛いよね」
3人が口々に茉莉子が理想だと言った。
「可愛いは言い過ぎだと思うけど、息子たちに、その言葉を聞かせたいわ…。『目障り』『キモい』とも言われたことがあるし、『いつもニコニコしていて、何を考えているかわからない』とか、『嫌われていることに、いい加減、気づけよ』とも、言われたわ」
息子たちが自分に投げかけた言葉を思い出して、涙が頬を伝う茉莉子。
「そんな酷いことを…」
絶句する壮介。半分は演技だが、半分は本気だった。首を左右に振りながら、
「なんか、ムカついてきた。優しい母親に恵まれているのに、その母親にそんなこと言うなんて…。俺なんか、母親の笑顔なんて、記憶にないくらいなのに」
と、将星が嘆いた。これは演技はゼロかもしれないと、壮介は将星を見た。
「綺麗なお母さんが嫌いな息子がいるなんて」
征人も神妙な顔で話していた。なんとなく、4人とも箸が止まったままになっていた。話の重さと、ある程度、食べ進んでいることもあって、話だけになっていた。
そろそろと思ったのか、仲居が、話が途切れるのを待っていたのか、このタイミングで、
「次のお料理をお運びしてもよろしいでしょうか?」
と、声を掛けて来た。茉莉子が、代表して、
「よろしくお願いいたします」
と、答えた。食前酒のアルコールの影響か、鍋料理の熱を受けたのか、茉莉子の首筋、鎖骨の辺りまで桃色に染まっていて、艶やかな感じ。
「息子さんたち、『お母さん』って呼ばない感じですか?」
将星が意を決したように訊いた。
「『お母さん』という言葉は、久しぶりに聞いたわ。貴方たちから。息子たちは、言わないわ。四男が小学校の4年生の頃に言ったのを聞いたのが最後かも」
茉莉子が目を閉じて、思い出すように話した。

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