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助教 沙霧
第12章 共犯の夜明け
 沙霧は、演習室の教壇に立ちながら、右手の指先を自らのうなじへと伸ばしている。
 短い髪の生え際、冷たい空気と、自分の指の微かな熱が交差するその場所。誉の指示で沙霧が自ら刻んだ「印」が、そこにある。

 学生たちが熱心にノートを取る中、沙霧は古今和歌集の恋歌を解説し続けていた。

「……この歌における『言の葉』は、単なる言葉の綾ではありません。詠み人が内側に秘めた情念が溢れ出し、形を成したものです。つまり、言葉を発するということは、自分自身の内側を晒すという、極めて赤裸々な行為でもあるのです」

 自分の口から出る「赤裸々な行為」という言葉。それが今の自分自身の状況と重なり、喉の奥が熱く焼ける。
 視界の端で、一人の男子学生が彼女の様子を不思議そうに見つめていた。沙霧が、解説の途中で何度も自分のうなじを愛撫するように触れている。その不自然な、しかしどこか艶めかしい仕草に気づいたのだろう。その、はじめは単に怪訝そうな、やがて時間の経過とともに遠慮のない好奇心に満ちて行くその視線が、沙霧の心の平静を奪って行く。
 しかし沙霧は、うなじに触れる指を離すことができなかった。

 誉からの命令。それは沙霧にとって、おろそかにすることは叶わない、重い規範となっていた。

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