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助教 沙霧
第18章 隷属の誓い
 沙霧は、震える手でデスクの引き出しを開けた。そこには、和歌の清書に使うための上質な鳥の子紙と磨り上げた墨、そして細筆が用意されていた。彼女は、何かに導かれるようにそれらを整然と並べた。

 座る動作に伴って、下腹部の異物がさらに深く彼女の芯を貫く。

「……っ、ぁ……」

 漏れ出した喘ぎは、羞恥なのか、それとも誉がもたらす法悦の響きなのか、もう沙霧にはわからなかった。

 筆を執ると、高潔な古典の言葉を記すためにあるはずの筆先が、今は自らを一人の男の「支配物」として定義するために動いた。
 沙霧は一字一字、命を削るようにして誓いの言葉を綴った。

『私、瀬川沙霧は、貴堂誉さまに隷属し、
   私の肉体は貴方の悦びのために
   私の知性は貴方の思考を彩るために
   私の魂は貴方の支配を受け足元に伏すために
用いることを誓います。どうか沙霧を、貴女の従順な奴隷としてお導きください』

 脳裏に、万葉集の防人の歌が、歪んだ形で反響する。

   今日よりは 顧みなくて 大君の 醜の御盾と 出で立つわれは
 ―― 今日からは後ろを振り返ることはない
    ただ、主の盾として、私は生きていく ――
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