この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
助教 沙霧
第19章 表の顔 裏の顔
 表向きは、理性の府で真理を追究するストイックな研究者。
 しかしその深奥では、顔も知らない一人の男――「誉」という名の支配者の命を待ち侘びる本性が、今や何の遠慮もなく沙霧の思考を占有している。

 沙霧は、机の上に置かれたスマートフォンの画面を、渇望に満ちた瞳で見つめた。誉からの新しい通知はまだない。だがその沈黙こそが、沙霧への「放置」という名の調教の一部であることを、彼女は本能的に理解していた。

 これまで沙霧が愛してきた古典和歌の世界は、常に「抑圧」と「表出」のせめぎ合いだった。三十一文字という狭い檻の中に、理性を焼き尽くすほどの情念を押し込め、それを雅な言の葉で凝縮させる美学。和歌は、沙霧の日常そのものだった。しかし今は…

 教壇に立ち、学生たちに『万葉集』の防人の歌を講じている最中も、沙霧の下腹部では、前日に一日中沙霧の体内で「隷属」の定めを植え付け続けた異物の残像が疼き続けている。凛とした声を響かせながらも、沙霧の意識が自らの情欲の匂いや、歩くたびに擦れる太ももの内側の過敏な反応から離れることはなかった。

「……本日はここまで。次週は『古今和歌集』における忍ぶ恋の変遷を扱います」

 講義を終え、学生たちの波が引いた後の演習室。沙霧は一人、教壇に手をついて立ち尽くす。背後から差し込む冬の陽光が、彼女の横顔を白く飛ばし、その瞳に宿る暗い炎を覆い隠していた。
/92ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ