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甘い飴と甘い鞭
第3章 SWEETEST DREAM
おれは男の首からネクタイを抜き取って、自分で目隠しをする。
いつもの要領だ。
ネクタイがないときはフェイスタオルを使ったり、最悪枕を使ったりしていた。
男が溜息を吐く音が聴こえる。

「悪いが、俺にそういう趣味はない」
「ちぇっ、つまんねえの。アンタ、遊び慣れてないんだね。そういうのもたまにはいいと思うよ」
「……粘っても無駄だ、あまり強要するならこのまま帰ったっていい」
「それは……困る」

頑として曲げない姿勢は声色からでもわかる。
こんな好みの声色の男、今逃したら次なんてきっとない。
そんな邪まな心でおれは、仕方なく妥協することにした。

「目隠しぐらい、いいだろ?」
「好きにしろ」

おれがベッドの真ん中に座りながらそう言うと、男がおれに口付けてくる。
薄く唇を開くと、舌先が中に入って来る。
暗闇の視界の中で水音を拾い、久々のその感覚におれは期待しながら前開きのパーカーを肩から落とした。
男の手が肩に触れてゆっくりとベッドの上に沈み込む。
薄いタンクトップの上から、撫ぜるように触れるその手つきに腰が浮つく。
ギシ、とベッドが軋んで男が俺の上に覆い被さる。
その呼気を耳に感じていると、耳朶がぬるりとした舌で愛撫されていく。

「ンは、ぁ……くすぐった、い」

男はおれの声など無視して、耳全体を犯すように念入りに舌を這わせて水音を派手に立てる。
どんな男でも物足りない、なんてのは半分は嘘だ。
こうして視界さえ遮ってしまえば、おれの本能は少しばかり満たされる。
その相手が無駄におしゃべりでさえなければいい。
ラズは、その点最高の男だった。
寡黙なくせに、耳元で囁く声が甘くていい。
おれがその声とテクニックだけで勃起するのは簡単だった。
男は丹念にローションでおれの体を撫で回し、もどかしいほどゆっくりとおれの穴を愛撫した。
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