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甘い飴と甘い鞭
第3章 SWEETEST DREAM
「は、ぁ……ラズ、早くほし……ぃ」
「……なんだ、言えるのか」

何でだろう、その言葉を聞いた瞬間ぞくっと震えて。
あの人と同じ、嗜虐性をそこに感じた気がした。
なのに、その指先は何処までも甘く、優しい。
性器が宛がわれると、おれは堪らず両腕を男の首に回していた。
こんなのは初めてだ。
その声が、その響きが、その甘さが?おれをそうさせる。
男はそれを厭うわけでもなく、熱を押し進めて行く。

「っはぁ、あー……ッ」
「シオン」

名前を呼ばれた瞬間、おれの中で何かが弾けた。
同じ響きだと思った。あの、人と。
そう錯覚したら、もう何もかもが融け出しそうで。
意識ごと全部あの人に塗り替えてしまう、ラズというその男のことを。
その晩、何度射精したかわからない。
甘い、甘い夜だった。おれには甘すぎるぐらいに。

「ラズ、またおれを呼んでよ。……また会いたい」

おれは帰り際、ホテルの備品で書き走った連絡先を男の胸ポケットに挿し入れた。

「あまり期待するなよ」
「……うん」

それでもよかった。
こんなことが二度と続くなんてことがあったら、それこそ夢かもしれない。
そう思いながら、おれは男と街角で別れた。
すっと、すれ違うような別れだった。
おれはまるで長い夢でも見ていたかのように、ぼんやりとしながら帰路に就いた。
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