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甘い飴と甘い鞭
第4章 SWEET&BITTER
『〇月××日19時、ホテル・ラグランジュ』
一か月近く経ったその晩、ラズからの連絡はそんな簡素な文で送られてきた。
日付はまさかの明日だった。
「なぁジェイ。明日も遅くなるんだろ?」
缶ビールをあおりながらソファでテレビを見ているジェイにダイニングチェアから声を投げ掛ける。
ジェイは、そのまま体を仰け反らせて赤ら顔だけこちらに見せた。
「……そのつもりはなかったけど、お前がそう言うならそうするぜ」
「なにそれ」
「お前の慰安日、だろ。言わせるなよ」
笑ったジェイの目が冷えて見えるのは、気のせいだろうか。
おれの中の罪悪感がそうさせているんだと思った。
現に、ジェイはそれ以上何も言わなかった。
おれの言葉選びはおかしくなかった、と思う。
だってこのところ本当に残業続きだとかで遅かったから。
そんな心配をするおれってまるで、
「嫁みてぇなセリフ、言うようになっちゃって」
ぎくりと肩が跳ねた、のをジェイが見ていないのを確認する。
まったくおれが思ったことを言うものだから驚いた。
と同時にそんな自分に腹が立つ。
誰が嫁だ。こんな一方的な関係があるかよ。
心の中で毒づきながら、おれは学校の課題に手を付けた。
いつものように、ジェイが風呂に入る頃、おれは既に自分のベッドで携帯端末を弄っている。
そのまま、いつの間にか眠り落ちてしまうんだ、いつも。
いつもは。
その晩は違った。気づいたとき、おれの両腕は柔らかな布で頭の上で拘束されていて。
ジェイが、おれのパジャマのボタンを一つ、二つと外していく真っ最中だった。

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