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甘い飴と甘い鞭
第8章 籠絡
耳に囁くが早いか、耳朶の後ろから首筋に掛けて舌を這わせて来る。
おれは、ジェイの腕に爪を立てるのが精一杯だった。
首筋がじゅっと鳴るほどに強く吸われて、声にならない声を呼気と一緒に吐き出す。
次の瞬間には、両腕をぐっと後ろに絡め取られて拘束される。
今度は麻縄の感覚じゃない。
馴染みのある、あのなめし革の肌触り。
バックルのついた本格的な拘束具だとわかった瞬間、おれの股間は不本意にもむくむくとしていた。

「お前の好きなものはあらかた揃えたよ」
「……な、ん、ぐ……ッ……!」
「おとなしくしてろよ、ほら」

おれは信じられない気持ちだった。
ボールギャグを噛まされている?おれが?ジェイに?
それは喉に届きそうなシリコン型の屹立の付いたもので、おれは思考の端でよくもこんな手の込んだものを、と思う。

「ぐぅ、ふぅ、……」

おれが呻くしかできないのをよそに、ジェイはどんどんと準備を進めていく。
ソファの背もたれを挟んで手首を拘束されたおれは、身を捩ることしか許されない。
前に回ったジェイが、おれの下衣をするりと脱がせていく。

「お前の写真を見せてもらったよ。……芸術的だった」
「んぐ、ぅう……!?」
「なんだ、もう半勃ちか。ほんとお前、そうとう仕込まれてんな」

指の先で弾かれて、性器がびくつくのが悔しい。
写真というのは、プルオット時代のものだろう。客の中にはそういうのを楽しむ奴もいたけど、まさかこんなところで仇になるなんて思いもしなかった。
おれは、もうどんな顔をしていたらいいのかわからなくなって、諦めるように瞳を伏せた。
両足首に手首と同じなめし革の素材の拘束具が取り付けられる。……ご丁寧に、チェーンまで付いてやがる。
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