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敗者の美酒
第1章 2014年 厳冬

   Moonlight Tears

明るい夜 皆眠るその時 
夜道を歩きながら 君に話しかける

僕はちゃんと愛せてるか
僕は大人に成っているか

そして
君は綺麗でいてくれてるの
君は素直でいてくれてるの


目を伏せ 切なさをかみ殺すその横顔
月の灯りに 幾重にも影ができる
過去なんか 暗い水底に 沈めてしまえばいい
静かに 優しく 涙が頬をなでる


運命なんて遠い祖先が いい訳に使った言葉さ
僕らはもう 迷わない 愛しさだけが本物の傷跡

あの月に 夢を投げて 届かなくても 届け 祈り
せめて君のそばで 静かに 小さな星になりたい


君は最後に泣かずにいて欲しい
君は両手で花束を抱いて

そして
僕は

目を開き 愛しさを映し出すその横顔
月の灯りに 幾重にも光が散る

運命なんて遠い未来が 欲しくて作った嘘さ
僕らはもう 迷わない 切なさだけが本物の奇跡


あの月に 夢を投げて 届かなくても 届け 祈り

せめて君のそばで 静かに 小さな星になりたい

せめて君の心の中で 明るい月になれ



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