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影を背負った愛~足りない愛を、君に
第41章 逃げ切れない平日の甘い攻防~火曜~①
同日 8時 健治のフォレスター車内

彩香は助手席に座り、健治さんの家から直接会社へ向かうことになった。

少し疲れた様子で座席に体を預けながらも、彩香の頰は自然と緩んでいる。
昨夜の濃密な時間がまだ身体に残っているのに、心はふわふわと軽やかだった。

健治さんも運転しながら時折彩香の方を見て、口ひげの下で柔らかい笑みを浮かべていた。

「顔、ちょっと腫れぼったいぞ。昨夜、頑張りすぎたか」

「……健治さんのせいです……朝まで、何度も……」

彩香は耳まで赤くなり、窓の外を向いて小さくぼやいた。

しかしその声には甘えと幸福感がはっきり混じっていて、健治さんは低くくすりと笑った。

信号で車が止まったタイミングで、健治さんは彩香の左手を優しく握った。
温かい大きな手が包み込むように重なる。

「……幸せだな」

彩香は握られた手をそっと握り返し、恥ずかしそうに上目遣いで健治さんを見た。
頰を少し赤らめ、甘えたような小さな声で呟く。

「……あの、健治さん。ドライブデート……行きたいです……」

声の終わりが少し震えていて、照れくさそうに視線を落とす。
健治さんのTシャツの裾を指でぎゅっと摘まみながら、耳まで真っ赤になっていた。

健治さんは一瞬目を細めて嬉しそうに笑い、親指で彩香の手の甲を優しく撫でた。

「いいな。今度の土曜日、どうだ?」

彩香の瞳がぱっと輝いた。

疲れていても、はっきりとした嬉しさが顔に広がる。

「……本当ですか?嬉しい……湘南方面がいいです。海が見たいな……」

「わかった。湘南方面にしよう。お前が好きなところ、ゆっくり回ろうか」

二人は手を繋いだまま、横浜の朝の道を走り続けた。

車内には甘い疲労と、静かで温かい幸福感が満ちていた。
時折目が合っては、照れくさそうに微笑み合う。

言葉は少なくても、二人の間を流れる空気はとても甘く、幸せに包まれていた。
彩香は健治さんの大きな手に自分の手を預け、
窓の外の景色を眺めながら心の中で繰り返した。

(……疲れてるのに、こんなに幸せ……
健治さんとドライブ……楽しみ……)
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