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パステルカラー・オレンジ
第2章 塾の人

大崎は、千尋の頭ポンポンっと軽く触れると、フッと笑った。

レ「いいえ、秋山さんが楽しそうに話している姿を見て、可愛らしいなと思いました。」


千尋は驚いた顔をしてみるみる赤くなった。
真っ赤な顔をうつむかせて、からかわないで下さいと言う。

そんな千尋を見て、大崎はもう一度フッと笑った。

駅に着くと電車はすぐ到着した。
電車に乗るとき、千尋は心臓がドキンと跳ね一瞬身体が強ばった。


ち(帰りは・・大崎君が居てくれるから大丈夫!・・・だよね。)

夕方17時の電車は、すでに帰宅ラッシュに入りはじめていた。
大崎は、電車に乗ると扉近くを陣取り、隅に千尋のスペースを作ってやった。



ち(うわー!大きな壁に守られてるみたい!大崎君って、本当に背が高いんだなー。そう言えば、顔という顔を見たことないな・・・口とか顎のラインだけで、前髪邪魔じゃないのかな?目とか、眉毛とかどんななのかな?眼鏡かけてるけど、目悪いんだなー)

レ「そんなに必死に覗きこまれると・・・困ります。」

ふいっと顔を横に向け、大崎はポリポリこめかみをかいた。

ち「えっ・・・・!あっ、、、その、、ごめっ、、、。」


バッと下を向き、うつむく千尋。
そんなつもりではなかったけど、結果的にそうなってしまった。

ち(うぅっ・・・恥ずかしい////)



時間が進むにつれ、車内はどんどん混みはじめていた。
大崎が千尋のまわりに作っていたスペースも埋まり、ギュウギュウになった。

レ「狭いですよね・・・すみません。」

肩をグッとよせて、千尋を自身に引き寄せる。

ち(大崎君が近い・・・それに、香水?柔軟剤?・・・微かに香って、なんか落ち着く。・・・って、こんなにピッタリ密着してて大丈夫かな・・・・・でも、肩を離そうとする気配ないし・・。 本当に、守ってくれてるんだ。)

千尋は、ふふっとはにかむ様に笑う。

ち(王子様みたいだな・・・・・。)

心がくすぐったくて、無意識に自分の顔を大崎の身体にすりすりしていた。

良い匂い・・・落ち着くし・・・フワフワする・・・。

大崎君の手って大きいんだな・・・・。

力強くて、ガッシリ掴んでて・・・。

力も私なんか 腕相撲したら、負けちゃうんだろうな・・・・。
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