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パステルカラー・オレンジ
第3章 帰り道

千尋の心臓がドキッとする。

ち「・・え・・っと・?」

握られた手、温かい人肌。








レ「荷物、持ちますね。」



そういって、千尋の手から鞄をとる。


ち「え?・・・・・え!?だ、ダメだよ!大崎君悪いから私・・・。」

千尋は離すまいと鞄の取っ手を引っ張るが、びくともしない。


ち「おーーさーきーくーーん!!手ーーはーーなーしーてー!!!」

諦めない千尋。

大崎は、その様子を見てスッと力をゆるめた。


ち「えっ・・まっ・・・急に!うわわわわわわ!!」

後ろにのけ反りかえる千尋。

フッと大崎は笑うと、鞄ごと千尋を引き寄せ、千尋の腰に手をそえた。


すんなり、腕のなかに納まってしまう。


ち「・・・はぁ。」


レ「荷物は、持ちますから。」


頭上から、優しく声をかけられた。
千尋は大人しく、大崎の後ろをトボトボ歩いていく他なかった。

ち(大崎君の意地悪!・・・ビックリした・・・ビックリした!!)


大崎の匂い、力強い腕、もう今日で何度経験しただろうか。
千尋の頭に、その記憶は確かに刻まれていた。
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