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パステルカラー・オレンジ
第6章 後悔
大崎は、最後電気おねがいしますと言って教室から出て行った。
ドアの閉まる音が聞こえ、千尋はホッとした。

ち(・・・助かった。)


のそのそと、教卓台から身体を起こすと、首や腰が痛かった。
うーんと背伸びをして解すと、教室の電気を消し、千尋も下駄箱に向かった。


下駄箱で、大崎が外をみながらボーッと立っている。
千尋がしばらく様子を見ていると、大崎は傘も差さないまま歩き始めた。


折り畳み傘があると言う話は、嘘だったのだろうか。

千尋は、白地に水色と青色の水玉傘を広げ、大崎の背中を見て歩き始める。


ち(はやく、傘差せば良いのに。・・・・もしかして。)




ち「・・・大崎君。」



大崎の足が止まり、後ろを振りかえると、水玉傘の誰かが立っていた。


レ「・・・?」


顔が見えないまま、真横に傘が止まる。
背の小さな千尋が、顔をあげて手を上に伸ばした。

ち「傘、持ってないの?」

雨が当たらないように、大崎を傘にいれ千尋はたずねた。


レ「・・・・。」


大崎は無言で、傘を押し返す。


レ「僕は、大丈夫ですから。」


濡れた顔を背けて話す。


しばらく、二人は無言だった。
痺れを切らして口を開いたのは、千尋だった。


ち「どうして、今日は助けたの?」

大崎は、こめかみをポリポリかいて黙ったままだった。

ち「なんで、なにも言わないの。」


千尋は傘から手を離し、大崎のブレザーをギュット掴んでシワを作った。
傘はパシャパシャ音をたてて転がる。

ち「私が先輩とキスしても、助けてくれなかったのに!!自分から、キスしてって求めてるように見えた?だから、助けてくれなかったの?!それとも、・・・・それとも私が、かまわないでって言ったから?なら、なんで今日は助けたの!!」


雨に濡れていく二人。
相変わらず、大崎は黙(だんま)りだった。
千尋の声は、沈み震えている。

ち「大崎君って、『親切で良い子』なんだね。」

ブレザーをつかみ、大崎を叩くように訴える。

ち「自分の都合で助けたいときは助けるの?!誰かに、助けてって言われたら、今日みたいに傘でも何でも貸して、自分は濡れて帰るんでしょ?!なにそれ、笑っちゃうよ!!」


レ「秋山さん、落ち着いて。」


ち「落ち着いてる!!」
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