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パステルカラー・オレンジ
第7章 304号室
そしてそのまま鞄を掴むと、足早に階段を降りて行ってしまった。

千尋は焦った。
なんてことをしてしまったんだ。

急いで大崎を追いかけると 下駄箱の前で、千尋は大崎の姿を確認した。


ち「大崎君、まって!」


千尋の声に、一瞬反応したものの構わず靴を履いて外に出てしまう。

テスト勉強なんてどうでもいい。

千尋は、見失わないよう大崎の背中を追いかけた。


ち「ハァ・・ハァ・・・まっ・・・ハァ・・大崎くん・・・まって・・・。」

春とはいえ、ワンピースにカーディガンを羽織っていた千尋の額から汗が流れ出る。
大崎は走っているわけでもないのに、一向に距離が縮まらない。
頑張って走っている千尋も、体力の限界が近づいていた。


ち「大崎く・・・まっ・・・ぅうっ・・・グスッ・・・まってよぉ・・・。」



曲がり角で、大崎の姿が見えなくなると、千尋は走るのをやめて歩き始めた。
目から涙があふれて、走って泣いて、息が苦しかった。
結局、マンションまで着いて304号室の前で、グズグズしながらインターホンを押す。

『ピンポーン』


ち「あの・・・大崎くん、ごめんね。・・ううっ・・おおさきっく・・・ごめっね・・。」



先程から千尋は、ドアの前で泣きながら謝っていた。
どのくらいそうしていたか、痺れを切らして通路のインターホンから、大崎の声が聞こえた。

レ「秋山さん、もういいですから。僕がご近所の方か」


その声に、千尋はガバっと食いついた。

ち「大崎君!大崎君、おねがい!お願い・・・、ちゃんと・・・ちゃんと謝りたい。」


レ「僕は、秋山さんに会いたくありません。」


その言葉に、千尋の手が震えた。ドンドンとドアを叩き始める。


ち「そんなこと言わないで・・・大崎君、ごめんなさい、グスッ・・・ウッ・・ごめんなさい!」


『ガンッ』

急に、ドアが開いてドアチェーンがピンっと張った。



レ「秋山さん、僕がご近所に怒られてしまうのでやめて下さい。」


ち「ぃやっ・・・・。」

千尋は開いた隙間に、自分の手を入れてドアから大崎を見上げる。
涙と鼻水で、千尋の顔はぐしゃぐしゃだった。
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