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パステルカラー・オレンジ
第7章 304号室
千尋は、大崎にしてきた数々の失態を、説明し始めた。

それは数カ月前にさかのぼった話からだった。


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受験が終わって、大崎に送ってもらったあの日。
家に帰ると、おばあちゃんがお風呂場で倒れていた。

千尋は救急車を呼んだが、すでに亡くなっている状態だった。


ち「それからは、死にたいって言葉しか出てこないくらい辛かった。」


ふと、大崎はあの日の駅前で聞こえた救急車のサイレンを思い出した。


大崎との約束があったのはわかっていたが、ショックで返事を返せるわけもなく、返信をするタイミングを逃してしまった。


おばあちゃんが亡くなって、すぐに親戚の人が集まった。
話し合いは、遺産相続の話になり弁護士が入った。

千尋の口座に、祖母の年金や自分の両親の保険金が多額に入っていて、親戚の人たちがお金欲しさに群がってきた。
おばあちゃんが住んでいた家は、親戚の人が相続し千尋は追い出される形になった。

親戚を頼ることなく、学校の先生に相談し先生の知り合いの仲介会社にマンションを探してもらった。

マンションの大家さんが、千尋の事情を知り更に破格値で住まわせてくれた。
それが、今の303号室だった。


おばあちゃんのことがあったり、親戚のことで、数日間千尋は学校を休んでいた。
気づけば顔も痩せて、落ち込んでばかりであまり笑わなくなった。


久しぶりに学校に行った時、体育の授業で着替えをしようと
スカートを脱いだら、ポケットから何かが落ちた。

受験の日以来、制服は着ていなかったので、忘れていた。
痴漢に会った時に入れられた、何かだった。
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