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パートタイマーの淫乱人妻・美香~主婦の仮面を脱ぐ午後
第8章 熟れた体~遊びのつもりよ(2)
私は自らの姿をじっと見つめ、小さく息を漏らした。
全身を薄いベールで覆い尽くすようなこの装いは、日々の生活で纏っている「分別ある大人の女性」という皮膚を、一気に剥ぎ取ってしまう。日常の規範や退屈な静寂から、非日常の領域へと無理やり自分を連れ去るためのスイッチのようなもの。
胸の奥には、冷たい羞恥がかすかに燻っている。こんな格好をして、自分は何を求めているのだろうという、自嘲めいた呟きが心の中に木霊する。けれど同時に、その羞恥を覆い隠すように、奇妙な高揚感が首筋を駆け上がってくる。
若さを誇示することはもうできない。けれど、これまでの時間の中で培ってきた執着や計算、そして隠しきれない渇きを、この一枚の布地を通して相手に突きつけることはできる。
いつもの自分を脱ぎ捨て、相手の視線を奪い、その心をどこまで揺さぶることができるのか。鏡の中の自分と視線を交わしながら、私の唇には、己の脆さと大胆さを同時に受け入れたような、静かな笑みが浮かんでいた。
********
薄氷のような布地に腕を通し、背中のホックを留める。鏡に映る四十八歳の身体――慎ましいBカップの胸、細いくびれ、熟度を増した腰の曲線――を、黒いヴェールが露骨さを殺しながら曖昧に際立たせていた。
そして、私はこの夜を更に盛り上げるための小道具を引き出しから取り出し、ベッドサイドのテーブルと枕元にそっと忍ばせた。
準備は整った。私は大きくひとつ息を吸い、私は寝室のドアをわずかに開けた。
「……卓也くん、入っていいわよ」
廊下に漏れる控えめな灯りの中、静かに投げかけられたその声に、リビングから立ち上がる衣擦れの音が重なった。
寝室の空気は、昼間の気配をすっかり失い、重たく湿った静寂に沈んでいた。
ベッドサイドランプの琥珀色の灯りが、黒いシアーメッシュの繊維に微かな陰影を落としている。私はベッドの端に腰掛け、脚を組み替えた。さらりとしたメッシュの擦れ合うかすかな音が、かえって室内の沈黙を際立たせる。
卓也は部屋の入り口に立ったまま、まるで脆いガラス細工でも扱うかのように、慎重な視線を私に向けていた。
全身を薄いベールで覆い尽くすようなこの装いは、日々の生活で纏っている「分別ある大人の女性」という皮膚を、一気に剥ぎ取ってしまう。日常の規範や退屈な静寂から、非日常の領域へと無理やり自分を連れ去るためのスイッチのようなもの。
胸の奥には、冷たい羞恥がかすかに燻っている。こんな格好をして、自分は何を求めているのだろうという、自嘲めいた呟きが心の中に木霊する。けれど同時に、その羞恥を覆い隠すように、奇妙な高揚感が首筋を駆け上がってくる。
若さを誇示することはもうできない。けれど、これまでの時間の中で培ってきた執着や計算、そして隠しきれない渇きを、この一枚の布地を通して相手に突きつけることはできる。
いつもの自分を脱ぎ捨て、相手の視線を奪い、その心をどこまで揺さぶることができるのか。鏡の中の自分と視線を交わしながら、私の唇には、己の脆さと大胆さを同時に受け入れたような、静かな笑みが浮かんでいた。
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薄氷のような布地に腕を通し、背中のホックを留める。鏡に映る四十八歳の身体――慎ましいBカップの胸、細いくびれ、熟度を増した腰の曲線――を、黒いヴェールが露骨さを殺しながら曖昧に際立たせていた。
そして、私はこの夜を更に盛り上げるための小道具を引き出しから取り出し、ベッドサイドのテーブルと枕元にそっと忍ばせた。
準備は整った。私は大きくひとつ息を吸い、私は寝室のドアをわずかに開けた。
「……卓也くん、入っていいわよ」
廊下に漏れる控えめな灯りの中、静かに投げかけられたその声に、リビングから立ち上がる衣擦れの音が重なった。
寝室の空気は、昼間の気配をすっかり失い、重たく湿った静寂に沈んでいた。
ベッドサイドランプの琥珀色の灯りが、黒いシアーメッシュの繊維に微かな陰影を落としている。私はベッドの端に腰掛け、脚を組み替えた。さらりとしたメッシュの擦れ合うかすかな音が、かえって室内の沈黙を際立たせる。
卓也は部屋の入り口に立ったまま、まるで脆いガラス細工でも扱うかのように、慎重な視線を私に向けていた。

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