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国選種付人物語−種付される人妻たち
第3章 舞風さんと種付人
とても温厚そうな表情を浮かべている。
「どこかの学校の先生のようだ」というのが、彼に対する僕の第一印象だった。
高圧的なところや、いやらしさは微塵も感じられない。
「初めまして。種付庁から派遣されてまいりました、国選種付人の渡辺忠夫です」
渡辺さんは丁寧かつ、どこか控えめに軽くお辞儀をすると、名刺の代わりに両手で「国選種付人証明書」を差し出してきた。
「どうぞ、ご確認ください」
「あ、はい。失礼します……」
受け取ったプラスチックのカードには、確かに彼の名前が書かれ、写真が貼ってあった。間違いない、僕たちが選んだ渡辺さんだ。
隣にいる舞風にもそれを見せると、彼女も少しホッとしたように小さく頷いた。
「どうぞ……中へお入りください」
僕は少し緊張しながらも、努めて丁寧な声で彼を中に招き入れた。
リビングのソファに僕たちは向かい合って座っていた。
渡辺さんは「最近は、朝晩がすっかり涼しくなってきましたねぇ」とか、「それにしても、本当に立派なお家ですね」といった、他愛のない世間話を穏やかに振ってくる。
その丁寧な口調や腰の低さは、まるでこのマイホームを購入した時の不動産屋の担当者みたいだなと、僕は場違いにも心の中で少しおかしさを感じていた。
少しだけ、肩の力が抜けるのを感じる。
「どこかの学校の先生のようだ」というのが、彼に対する僕の第一印象だった。
高圧的なところや、いやらしさは微塵も感じられない。
「初めまして。種付庁から派遣されてまいりました、国選種付人の渡辺忠夫です」
渡辺さんは丁寧かつ、どこか控えめに軽くお辞儀をすると、名刺の代わりに両手で「国選種付人証明書」を差し出してきた。
「どうぞ、ご確認ください」
「あ、はい。失礼します……」
受け取ったプラスチックのカードには、確かに彼の名前が書かれ、写真が貼ってあった。間違いない、僕たちが選んだ渡辺さんだ。
隣にいる舞風にもそれを見せると、彼女も少しホッとしたように小さく頷いた。
「どうぞ……中へお入りください」
僕は少し緊張しながらも、努めて丁寧な声で彼を中に招き入れた。
リビングのソファに僕たちは向かい合って座っていた。
渡辺さんは「最近は、朝晩がすっかり涼しくなってきましたねぇ」とか、「それにしても、本当に立派なお家ですね」といった、他愛のない世間話を穏やかに振ってくる。
その丁寧な口調や腰の低さは、まるでこのマイホームを購入した時の不動産屋の担当者みたいだなと、僕は場違いにも心の中で少しおかしさを感じていた。
少しだけ、肩の力が抜けるのを感じる。

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