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国選種付人物語−種付される人妻たち
第3章 舞風さんと種付人
「どうぞ……」
舞風が丁寧に淹れたお茶をテーブルにそっと置くと、僕の隣へと戻ってきて腰を下ろした。
「お気遣い恐れ入ります。それでは、いただきます」
渡辺はどこまでも礼儀正しく、お辞儀をしてから湯呑みに手を伸ばした。
しかし、お茶を一口喉に通して茶碗をテーブルへと戻すと、彼はふと手元の腕時計に目をやった。
そして、それまでの和やかな空気を引き締めるように、すっと居住まいを正した。
「それでは……先ずは、本日の種付について説明します」
穏やかだった口調はそのままだったが、その瞳は公務としての真剣な光が宿っていた。
「本日は、中谷誠司様の妻である舞風様への、種付けということで間違いございませんね?」
淀みなく、淡々と。
それはまさに役所の事務手続きそのものの響きを帯びていた。
「はい……」
「はい」
舞風と僕の声が、重苦しい静寂の中に重なった。
僕たちは並んで、深く頷いた。
「ただ今の時間は10時15分。種付けの時間は午前10時から午後5時までの間で、種付人である私が十分に種付けできたと判断できた時まで、という決まりですが、よろしいですね?」
「はい……」
「はい」
また僕たちは同時に頷く。
渡辺の語り口があまりにシステム的で、法律の条文をそのまま読み上げられているような感覚に陥る。
舞風が丁寧に淹れたお茶をテーブルにそっと置くと、僕の隣へと戻ってきて腰を下ろした。
「お気遣い恐れ入ります。それでは、いただきます」
渡辺はどこまでも礼儀正しく、お辞儀をしてから湯呑みに手を伸ばした。
しかし、お茶を一口喉に通して茶碗をテーブルへと戻すと、彼はふと手元の腕時計に目をやった。
そして、それまでの和やかな空気を引き締めるように、すっと居住まいを正した。
「それでは……先ずは、本日の種付について説明します」
穏やかだった口調はそのままだったが、その瞳は公務としての真剣な光が宿っていた。
「本日は、中谷誠司様の妻である舞風様への、種付けということで間違いございませんね?」
淀みなく、淡々と。
それはまさに役所の事務手続きそのものの響きを帯びていた。
「はい……」
「はい」
舞風と僕の声が、重苦しい静寂の中に重なった。
僕たちは並んで、深く頷いた。
「ただ今の時間は10時15分。種付けの時間は午前10時から午後5時までの間で、種付人である私が十分に種付けできたと判断できた時まで、という決まりですが、よろしいですね?」
「はい……」
「はい」
また僕たちは同時に頷く。
渡辺の語り口があまりにシステム的で、法律の条文をそのまま読み上げられているような感覚に陥る。

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