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国選種付人物語−種付される人妻たち
第3章 舞風さんと種付人
​「では、本日の種付を行う場所はどちらでしょうか?」

​「あっ!はい」

​僕は促されるようにしてソファーから立ち上がった。

「こちらです」

​リビングのソファーの後ろにある引き戸を開ける。

そこは、普段は来客用として使っている和室の客間だ。

今日のために、畳の上には綺麗にシーツを敷いた一枚の布団が敷かれ、その頭側には枕が一つ置いてある。

​「失礼します」

​一言断ってから渡辺が客間に入り、室内をぐるりと見回した。

「結構です。問題ありません」

​確認を終えると、彼は布団のすぐ横にすっと背筋を伸ばして正座した。

その流れるような所作に引っ張られるようにして、僕と舞風も自然と部屋の端に並んで正座をしていた。

​「それと、本日はご主人様は、奥様の種付けの『観察』をご希望でしたね?」

​「はい……」

​今度は僕だけが返事をした。

同席ではなく、この男の口からは「観察」という無機質な言葉が出てきた。

この人の話を聞いていると、これから舞風の身体に起こるはずの生々しい行為が、すべて事務的・機械的なプロセスのように思えてくる。

でも、僕にとっては好都合だった。

感情を挟む余地もないほど、本当にただの作業として終わらせて、帰ってくれるのではないだろうか。

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