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国選種付人物語−種付される人妻たち
第3章 舞風さんと種付人
「では、『観察』のルールをご説明します」

​正座したままの渡辺が、眼鏡の奥の生真面目な瞳で僕を見つめながら言った。

​「はい、お願いします」

「まず、観察は部屋のどこからしていただいても構いませんが、布団に触れたり、布団の上に乗ったりすることは禁止です」

​要するに、見るのは勝手だけど、種付けの邪魔だけはするなということか。分かりやすい。

​「はい、分かりました」

​「次ですが、種付けの最中は、夫婦間の会話は禁止です。ご主人様から奥様に話しかけることは一切できません」

​「分かりました」

これもやはり、行為の邪魔をするなという意味なのだろう。

​「同じく、種付け中は、夫婦間の接触も禁止です。ご主人様が奥様の身体に触れたり、手を握ったりすることはできません」

​さすがにそのルールには、少しだけ胸がざわついた。

もし舞風が不安そうな顔をしたら、せめて手くらいは握って安心させてあげたかったのに。

​「あの……一つ、いいですか?」

「何でしょうか?」

​「もし、妻が途中で急に具合が悪くなったりした時は、どうすればいいのですか?」

​心配になって尋ねると、渡辺は表情ひとつ変えずに小さく頷いた。

​「そういう場合は、すべてこちらで適切に対処いたします。救急救命や体調管理に関する訓練も徹底して受けておりますので、どうぞご安心ください」

​「そうですか……」

​プロが対処すると言われれば、僕が口を挟む余地はなかった。

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