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国選種付人物語−種付される人妻たち
第3章 舞風さんと種付人
二人はまさに種付行為の最中だった。何も異常はなかった。
互いの身体に触れ、愛撫し合うことは、種付けという目的を果たすために必要な性行為の一部として国に認められているものだ。
舞風が子供を得るために受け入れなければならないプロセス。
だから、僕が目撃した光景は、システムとしては何一つ間違っていない、正常なことだった。
でも……。
これは本当に「正常」なことと言っていいのだろうか。
今更ながら、胸の奥底から湧き上がる根本的な疑念が僕の思考を支配していった。
そもそも、夫がすぐ隣にいる部屋で、妻が初対面の中年男と全裸で肌を重ね、性交に耽る。
そんなことが倫理的にも道徳的にも許されていいはずがない。
しかし、この国ではそれが「正義」として許され、推奨されているのだ。
個人の持つ倫理観や貞操観念なんてものは、国家が掲げる大きな方針や理念の前には、あまりにも無力で儚い。
この国は、人類がこれまで長い歴史の中で培ってきた倫理や道徳、夫婦のあり方よりも、ほんの少しだけ「人間の生殖本能」を優先させた。
そうして、人口の増加と国家の存続を図るという強烈な理念を打ち立て、いつの間にかそれを僕たち国民に浸透させている。
それはまるで、かつて歴史の教科書で見た、平和よりも侵略戦争を正義と信じ込み、国民全体がそれを是として熱狂していった狂気の時代と同じではないか……。
互いの身体に触れ、愛撫し合うことは、種付けという目的を果たすために必要な性行為の一部として国に認められているものだ。
舞風が子供を得るために受け入れなければならないプロセス。
だから、僕が目撃した光景は、システムとしては何一つ間違っていない、正常なことだった。
でも……。
これは本当に「正常」なことと言っていいのだろうか。
今更ながら、胸の奥底から湧き上がる根本的な疑念が僕の思考を支配していった。
そもそも、夫がすぐ隣にいる部屋で、妻が初対面の中年男と全裸で肌を重ね、性交に耽る。
そんなことが倫理的にも道徳的にも許されていいはずがない。
しかし、この国ではそれが「正義」として許され、推奨されているのだ。
個人の持つ倫理観や貞操観念なんてものは、国家が掲げる大きな方針や理念の前には、あまりにも無力で儚い。
この国は、人類がこれまで長い歴史の中で培ってきた倫理や道徳、夫婦のあり方よりも、ほんの少しだけ「人間の生殖本能」を優先させた。
そうして、人口の増加と国家の存続を図るという強烈な理念を打ち立て、いつの間にかそれを僕たち国民に浸透させている。
それはまるで、かつて歴史の教科書で見た、平和よりも侵略戦争を正義と信じ込み、国民全体がそれを是として熱狂していった狂気の時代と同じではないか……。

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