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国選種付人物語−種付される人妻たち
第3章 舞風さんと種付人
「誠司君……」
舞風はそこで初めて、僕が引き戸の隙間から覗いていたことに気づいたようだった。
潤んだ瞳が大きく見開かれる。
しかし、「種付行為中の夫婦間の会話は禁止です」と渡辺に低く釘を刺されると、舞風は小さな声で「すみません……」と謝った。
そして、先ほどイッてしまった瞬間を僕に見られた恥ずかしさからだろうか、たまらなくなったように僕とは反対の方向へと顔を背けてしまった。
僕はといえば、渡辺に促されるまま、フラフラとした足取りで客間へと一歩を踏み出した。
けれど、そこまでだった。
これまでの人生で一度も味わったことのないどろどろとした感情の濁流に気圧されたのだろう。
情けないことに、僕の膝は完全に笑ってしまい、その場にカクンと腰が抜けてしまった。
引き戸のすぐ近くでベタ座りのまましゃがみ込んでしまい、それ以上、一歩も前へ動くことができなかった。
「奥さん。『観察』はあくまでもご主人の権利です。奥さんは反対できません」
渡辺は、先ほどと変わらない淡々とした口調で、改めてこの場のルールを告げた。
舞風は無言のまま、僕とは反対の方向を向いたまま身動きひとつしなかった。
約束を破って覗き込んでしまった僕に、怒っているのだろうか……。
それとも、あの淫らな姿を見られた自分を攻めているのだろうか。

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